神棚の向き
神棚を設置するのに望ましいとされる向きがあります。
その向きについて一般的な見解と、家相という専門的分野の見解には多少違いがあるようです。
また、日本人が神棚をおまつりしてきた歴史からも考えてみたいと思います。
神棚設置によいとされる向き
神棚には設置するのによいとされる場所や位置、向きなどいくつかの条件があります。
中でも向きを正しくすることが一番大事であるという見解もあるようです。
一般的に南か東、もしくは南東でも構いませんがこれらの方角がよいといわれています。
つまり神棚の背を北か西に向けて設置するということです。
これは、太陽を尊ぶ日本人の考え方が影響しているからといわれています。
神棚をおまつりする向きについても、太陽の昇る東向きか太陽の光が最も降りそそぐ南向きで、家の中でも清浄な場所を選んでおまつりするということが原則となったようです。
神社においても同様で、一般的にご本殿は南向きか東向きに建てられていることが多いのですが、地勢的問題や特別な由緒などにより北向きに建てられているような場合もあります。
家相から見る神棚の吉方位
神棚の向きというのは家相学上においても重要であると考えられています。
家相学では神棚をおまつりするのに最もよいとされる場所は北西といわれているようです。
北西は家の中心的な部屋に位置するためという考え方からです。
北西の部屋に神棚を設置する場合の向きは、南・東南・東向きになるように設置します。
他によいとされるのは東南の部屋に置いて北西か西向きにする、西の部屋に置いて東向きにする、東の部屋に置いて南か西向きにするなどのようです。
また家相学では神棚を寝室に設置するのはよくないと考えられています。
神棚と仏壇を同じ部屋に置く場合についても決まり事があります。
まず、向い合せにしてはいけないようです。
片方にお参りする時に片方にはお尻を向けてしまうので失礼になるからです。
他に神棚と仏壇を上と下、つまり縦に並べること、隣同士に並べるといことも避けなければならないといわれています。
位置関係は神棚を主と考えるため、神棚を中心に近い位置にし、仏壇を少し離して置くようにします。
神棚信仰と神棚の向き
元来、日本人が古くから神棚をおまつりして家庭のまつりを行ってきたのは、自然の恵みへの感謝と畏敬を表すためでした。
私たちが日々の生活を営んむことができるのは、自然に生かされていると考えてきたからです。
日本の神様というのは自然の象徴であることが多く、その自然を育んでいるのが太陽であり伊勢神宮におまつりされている天照大御神であるとして崇めてきました。
そして、そのご神威を家庭にいただくために神棚をおまつりしてきたのです。
神棚を南向きにおまつりするとよいという考え方は、南が太陽の光が一番強く降り注ぐ向きであることから、太陽の神様である天照大御神のご神威を一番強く感じることのできる向きであるというのも云われの一つとなっているのかもしれません。