神棚の処分の仕方
神棚やお神札などというものは、ゴミと同じように簡単に処分してよいものではありません。
私たちの暮らしを見守って下さったものなのですから、最後も感謝の気持ちを込めてきちんとした形で処分しなければならないと考えます。
お焚き上げについて
新しい年を迎えるにあたり、一年間おまつりしたお神札やお守り、また古い神棚やしめ縄、正月飾りなどを神社(仏閣)にお納めし、浄火によって燃やす神事を「お焚き上げ」と言います。
このお焚き上げ神事は、それまで私たちをお守りくださった神様へ感謝の心を捧げるものであり、私たち日本人の先人たちによって培われてきた伝統ある大切な風習の一つといえます。
よく知られるのは、旧正月の行事としてなど全国各地で行われている「どんど焼き」や「左義長」があります。
中には国の重要無形民俗文化財に指定されているものもあるようです。
神社であればどこでもこのような神事として大々的に行っているわけではありませんが、古い神棚をお焚き上げしてほしいという旨を伝えれば、だいたいは神社で一旦預かってお祓いした後に処分してもらえるでしょう。
近くの神社などに一度確認してみるとよいかもしれません。
神棚を新しくする時期
神棚はお神札と違い毎年新しくするというようなものではありません。
家を新築したりリフォームした際に新しい神棚に替えたり、古くなって破損してしまった場合などに古い神棚の処分を考えなければなりません。
基本的には一度新しい神棚をおまつりしたら長く使っていくものなので、神棚を処分しなければならない機会というのはそうそうは訪れないと思われます。
家によっては何代にも亘って修理を繰り返しおまつりしているという家庭もあります。
そうかというと引っ越しの際に、処分に困った神棚をそのままにして出てしまうというケースも少なくないようで、新たに引っ越してきた人の悩みの種になることもあるようです。
この場合、他人が残していったものなのですが、新たな家の持主の所有物となってしまうので、その家の持ち主が処分しなければなりません。
その処分の仕方も神社に納めてお焚き上げしてもらうのが最善の方法と思われます。
神棚の処分の現実
しかしながら、時代の流れとも言えるのかもしれませんが、環境問題による影響を受け、お焚き上げ神事を続けることが難しくなり、取りやめる神社が増えてきているのが実情のようです。
神社の境内でお焚き上げができない場合、預かった古いお神札や神棚はお祓いが済んだあとの実際の処分を業者に任せているところもあるようです。
このようなことからか、古くなったお神札やお守り、神棚などをはじめ、普通に処分することが難しい気持の込められたものなどを専門に処分してくれるお焚き上げ業者もでてきました。
他にも引っ越し業者が引っ越しの際に神棚の処分を請け負ってくれる場合もあるようです。
いずれにしても、歴史ある日本の伝統的行事が失われていくということは寂しさを感じるものです。